三月の空に
今朝 外さ出はって
いっつものように空 見上げだった
耳 すませば
遠ぐの方で 鳥コの声
どごさいだーべ
あっ! いだーいだー
白鳥グループ 1組 2組
空 飛んでだったども
すーぐ 見えなぐなった
さーさー あど少ーし早く
外さ出て 空
見上げでれば良がったーな
って 思ってだら
どっからが
コォ゙ コォ コォ コォ
まるーで おっきな声がすんの
あら
この声は 誰だーや
したっけば 一羽の白鳥が
一生懸命 鳴き叫んで
一生懸命 羽ばたいて
さっきの群れの方向さ 飛んでったった
あやーや おめさん
置いでがれだーのすか
どーこの世界にも モタモタすんのが いんだがねんす
おらー ワラスの頃を思い出した
おらー 何をすんのもモタモタで
仲間さ入るのも 苦手だったーの
それでおらは すぐ諦めてしまって
ひとりでずーっと
メソメソ泣いでだった
こんなおらのこと だーれも
気にとめながった
だっけーに
オラも あんなふうに
おっきな声
出せば良がったぁ
一生懸命 はせでって
みんなの後を
追っかげれば 良がったなぁ
って 思ったった
あの白鳥 群れさ追いついたべか
たぶん 追いついたべな
まるーでおっきな 声だったぁもの
仲間は気づいて ゆっくり飛んで
待ってでけだべな
そうだといいな
って 思ったった
三月の空に/ひと粒の種
2025/03/31 IBC radio 朝の方言詩 (OA)