あめゆきをとって

仮題と下書き

臨死体験のこと

こんばんは。入院中で暇なタンポポです。

現在の私は、母の葬儀の真っ最中に大動脈解離を起こし、緊急手術の後に転院。故郷岩手の大自然に癒されながら、様々なリハビリを受けている真っ最中です。

しかし思いがけず長引く入院に、最初は「生きててよかったー」と能天気だった私のメンタルも、現実に押し潰されてダダ下がり中です。

早く前の生活に戻りたい焦りと、前のようには戻れない絶望と、それでも生きなければならない残酷さ。

本当に、生きててよかったの?と疑うレベルまで落ち込みます。

その答え合わせは、まだ先になるのでしょうか。

 

私が死にかけたのは、私の人生で2回目です。

最初は(もう何度もあちこちで書いたのですが)まだ小学校に上がる前、近所にある高校のプールに落ちた時。

そして今回の事を、私が忘れてしまわないうちに書いておこうと思います。

 

真冬の家の中で倒れて低体温症となった母が、入院治療の甲斐なく亡くなったのが1月22日。

回復を信じていた私達でしたが、母の高齢を考えると諦めざるを得なく、淡々と葬儀の準備をしていました。

そこに突然、あるトラブルが起きたのです。詳細は省きますが、動揺して何も出来ない姉と、穏便に済ませようとする弟と、激怒して断固戦う姿勢の私←

姉が言う事には、私がもうあり得ないほど怒り狂った挙げ句に胸が痛いとうずくまり、ドクターヘリで救急搬送。葬儀はメチャクチャだったらしいです。

緊急手術で一命をとりとめたのですが、その時でしょうか。

私はこの世とあの世の境目で、母と会っていたのです。

なまあたたかい、浅い川の中をひとり歩いていると、少し先に母がいて、母は腰まで水に浸かっている。お母さんと叫ぶと振り向いて、私に手を振っている。

 

お母さーん

 

母に近付こうとすると、それは手招きではなく、あっちへ行けというふうに追い払っているのだと気付いた私は、泣きながら叫んだのでした。

お母さん、どうして?

どうして来るなって言うの?

行かないで、戻ってきて

お母さん

お母さん……

 

私の手術は成功して意識が戻り、誰もが私まで死ななくてよかった。お母さんはもう年だから仕方ないけれども、あなたはまだ早すぎると言って慰めてくれる。

私は死にかけて、三途の川でお母さんに会ったのよ。お母さんが私に、こっちに来てはダメだって。

そんな話をしようとして、私は口をつぐむ。今、私の声はかすれて会話が上手く出来ないし、きっと、誰にも信じてはもらえないだろうから。